口腔外科医・歯科医師が理解するべき抗菌薬の概念

抗菌薬の理解って大事そうだけど、自信を持って説明できる歯科医師は少ないのではないでしょうか。

 

世の中には抗生物質の参考書が山程転がっていますが、いずれも医科向けに作られているし、

学部の授業なんておじさんの余生に付き合ってるようなものでしたから、

口腔以外の知識に乏しい歯科医師からすると、難しく感じるのではないかと思います。

 

抗菌薬については僕も理解しきれていませんが...

だったらブログに纏めるなよという野党のヤジを背にし、ネジれないように頑張ります。

 

 

感染症とは

感染症とは微生物が体内に侵入して炎症反応を誘起し、発熱などを生じさせるものです。

 

例えば風邪と言われるものはウイルスによる感染症で、原因となるウイルスは何百種類とあります。

細菌も同様で、世の中にはとんでもない種類の細菌が存在し、

乳酸菌など体に利益をもたらす細菌もいれば、ワンチャン殺しちゃうような恐ろしい細菌もいます。

人体に全く関係ない細菌もたくさんいます。

 

人類の医学の歴史は感染症との歴史です。

 

日本書紀には「天然痘で天死する人多し」と書かれているし、

19世紀のロンドンではコレラ菌だらけのテムズ川の水を使用して大量の人が亡くなりました。

 

その後に

人類初の天然痘ワクチンをジェンナーが発明したことで天然痘は撲滅され、

使用する水道会社によってコレラの有病率が違うことをジョンスノーが分析したことでコレラの有病者が劇的に減りました。

 

そして20世紀前半にフレミングペニシリンを発見し、人類は感染症を予防するだけでなく、感染症を叩く技術を習得しました。

この抗菌薬が活躍した最初の機会はWWⅡなので、人類が感染症に対して優位になってから100年も経っていない訳です。

 

感染症との闘い方

抗菌薬を理解するために、病棟患者へ抗菌薬を投与する基本の流れ(概略)を確認します。

なので、わからなくて当たり前。

 

診断

疾患を持った人間がきます。

この人の病はどのようにして治してあげれるか?

バイタルの確認、患者のアネムネ(原病歴・既往歴・身体所見)を採取し、総合的に診断します。

 

先週に入れ歯のフックが取れてから合わなくて歯茎が痛いと言われたらまずは義歯不適合を疑い、抗菌薬は出さないでしょう。

2日前に親知らずを抜いてから痛みと冷や汗が続いていると言われ、身体所見で頸部腫脹と頻脈と低血圧を認めたら敗血症を疑い、大汗かきながら抗菌薬を強く検討するでしょう。

 

培養採取・抗菌薬の選択

診断に対して、どの抗菌薬を投与するか検討します。

  • 抗菌薬の投与が患者の生命にどれほど関わってくるか
  • どの患者のどの臓器にどんな細菌が感染しているか
  • 何の培養を取るか

を考えながら、抗菌薬を選択します。

(生命にどれほど関わるか、が歯科医師としては大事です 詳細は後述)

 

 

抗菌薬の投与

腎臓が悪ければ量を減らす。

重症なら抗菌薬の量を増やす。

腎機能の状態や感染症・抗菌薬の種類に基づいた投与法で進めます。

 

De escalation

培養結果で病原菌が判明し、それに効く抗菌薬が判明したら、

効果がある上でスペクトル(効く範囲)が狭めの抗菌薬に変更します。

 

抗菌薬の終了

採血データや身体所見に準じて抗菌薬を終了します。

 

 

上記の内容は感染症の患者さんが運ばれてきた際に抗菌薬を投与する基本の流れなのですが、

オフィスビルの一画で開業している歯科医師が扱う患者さんの感染症

 

  • 抗菌薬の投与が患者の生命にどれほど関わってくるか

→ごく軽症の人ばかり

  • どの患者のどの臓器にどんな細菌が感染しているか

感染症の種類は歯周炎のワンパターン 原因菌は概ねStreptococcusやPrevotella

 

となります。

従って、

一般歯科に従事する歯科医師はStreptococcusやPrevotellaに効果があり、副作用も少なく、スペクトラムも広くないAMPC(アモキシシリン)が推奨される訳です。

 

 

以降はもう少し詳しく語ります。

 

代表的な細菌

抗菌薬について学ぶためには、代表的な細菌について学ぶ必要があります。

退屈な仕事はPythonに任せる時代ですが、こればっかりは頑張るしかありません。

とはいえ、記憶するべきなのは代表的な細菌だけで十分で、わからない細菌が出てきたらその都度調べればいいと思います。

 

前提として人間がヒト属-ヒト種 であるように、細菌も生物なので階級で分類できます。

例えばStreptococcus.mutansの場合は

Streptococcus[属].mutans[種] となります。

 

まず、グラム染色と菌の形状で大きく4種類(GPC,GPR,GNC,GNR)に分けられます。

GPCやら何ちゃらの意味は

G : Gram染色の頭文字

P/N : Positive/Negativeの頭文字

C/R : Coccus(球菌)/Rod(桿菌)の頭文字

 

ヒト常在菌だけで数千種類ありますが、ほとんどの細菌は人害になりません。

人間に害を与える細菌の殆どはGPC(グラム陽性球菌)とGNR(グラム陰性球菌)の一部なので、GPRとGNCは考えなくてよし。

 

GPC

重要なのは主に3種類の球菌。

歯科医師的にはStreptococcusが大事。

口腔外科医は尿路感染症の腸球菌やSSIのブドウ球菌も大事。

Streptococcus:連鎖球菌

  S.constellatus,intermedius,mitis,oralis etc 歯性感染症を引き起こす

  S.pyogenes(A群溶連菌) 壊死性筋膜炎を引き起こす

  S.pneumoniae(肺炎球菌) 市中肺炎を引き起こす

皮膚や咽頭に存在。

Staphylococcus:ブドウ球菌

  S.aureus(黄色ブドウ球菌)

  S.epidermis(表皮ブドウ球菌)

 皮膚や鼻腔に常在していて、皮膚軟部組織の感染、IE等を引き起こす

Enterococcus:腸球菌

  E.faecalis

  E.faecium

 尿路感染症を引き起こす

 

GNR

代表的な細菌の頭文字を取った用語 "PEK", "HaM", "SPACE" が有名。

PEK

尿路感染症の主な原因菌。

 Proteus.mirabilis

 Escherichia coli

 Klebsiella pneumoniae

 

HaM

上気道感染の主な原因菌。

 Haemophilus influenzae

 Moraxella catarrhalis

 

PEKは口腔外科医なら知っておきたい所。

HaMは聞き流しで良いです。

 

 

SPACE

 院内感染の主な原因菌。

今までの細菌と異なり、どの臓器(ex. 肺,CV,尿カテ)でも感染の原因菌になるのが特徴。

  Serratia

  Pseudomonas(緑膿菌

  Actirobacter

  Citorobacter

  Enterobacter

この子達は昔から病院に住み着いていて抗菌薬に耐性がある上に、肺炎やら尿路やらカテーテルやら色々な所で感染源になるので厄介。

緑膿菌は特に耐性が強く、GNRによく効くはずなのに緑膿菌だけ効かない抗菌薬があるので分けて考えます。

 

イメージとして、GPCは皮膚と口腔咽頭に多く、GNRが腸管や尿路などに多いです。

従って上半身の感染症はGPCが多く、下半身にいくほどGNRが多くなります。

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嫌気性菌

嫌気性菌はグラム染色とは別の区別の仕方です。

GPCの嫌気性菌もあるし、GNRの嫌気性菌もいます。

嫌気性菌は比較的難治性で、膿瘍を形成しやすく、混合(複数菌)感染が多いのが特徴です。

感染症の原因菌として代表的な嫌気性菌は、横隔膜の上か下かで区別されます。

上だと歯周炎や誤嚥性肺炎、肺膿瘍など。

下だと腹膜炎など。

横隔膜より上で代表的な嫌気性菌はPrevotella(GNR)やPeptostreptococcus(GPC)です。

こいつらは口腔内に常在していて、歯性感染症の原因菌として有名です。

 

 

大まかな図です。

 

グラム染色・培養同定

実際の臨床ではどのようにして原因菌を同定しているのか?

取ってきた検体から

  • 塗抹検査(グラム染色)を評価
  • 分離培地で培養してコロニーを観察
  • 生化学的試験

等を用いて菌種名を決定します。

 

塗抹検査(グラム染色)

検体をスライドガラスに塗り、赤と青に染色して顕微鏡で観察します。

色や形状でグラム 陽性 / 陰性 や 球菌 / 桿菌 を判断できるし、

菌株同士の配列で、細菌の菌種を大まかに推定できます。

特に陽性菌は菌種を推測しやすいです。

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グラム染色した切片の中に、細菌を貪食している白血球がみられることがあります。

白血球の貪食像が多いほど、白血球の中で染まっている細菌が原因菌なのかなあと推測できます。

下の図だと、白血球がGNRを沢山食べている像が見られます。

あくまでも判断材料の1つですけどね。

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分離培地・コロニー観察

細菌によって増殖する環境条件やスピードが異なる事を利用し、

分離培地下で検体を発育させ、細菌が増殖した培地の種類や増殖のスピード、環境条件(温度など)等の特徴から細菌の菌種を推定します。

よって、目的の微生物があれば、検査室に伝えることで、適切な結果が得られることが期待されます

(基本は血液寒天培地でやると多くのグラム陽性/陰性菌は発育してくれる)

培地も奥が深いので細かい話は割愛しますが、、

例えばマンニット食塩寒天培地という食塩とマンニット糖を敷いた培地では、Staphylococcusのみが反応するので、Streptococcusを疑う場合はこの培地を使ってみます。

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生化学的試験

ゴリラ[種]にはバナナを与えれば喜ぶが、ヒト[種]には辛物質を与えると喜ぶように、細菌によって個性がある。

例えばGPCでブドウ房状の配列をしていたらStaphylococcus[属]まではわかるが、

[種]がaureusなのかepidermisなのかはコアグラーゼを分泌しているかどうかで判断できる。

てな感じで菌種を推定します。



培養採取・微生物同定検査の結果の解釈

研修医が検体を採取し、細菌検査(培養同定)をオーダーし、2日後に〇〇菌の検出と各抗菌薬の感受性がカルテに反映されました。

上の内容を読んだ研修医はこう思いました。

「細菌検査をオーダーしたら塗抹検査から培地での培養、生化学検査までやって原因菌を推定してくれてるんだ。臨床で活かそう。」

「先生、この感染症は〇〇菌が原因でした。××菌だとsensitiveでMICが1番小さいのでこの抗菌薬に変えておきました」

これは正しい解釈でない可能性があります。

 

実は誤りポイントは幾つかあるのですが、まず1つ目の重要なポイントとして、

検体の培養結果から〇〇菌が検出されても、必ずしも原因菌とは限らないのを覚えておきましょう。

 

理由を各培養法のポイントと一緒におさらいしましょう。

 

皮膚・軟組織の膿瘍/膿の穿刺採取

口腔外科が高頻度で培養を採取する方法は皮膚・軟部組織感染症に対する膿の穿刺採取でしょうか。

開放性の場合は表皮等の常在菌による汚染・混在が強く疑われるため、たとえ培養結果で菌種が同定されても、それが原因菌と断言することは困難です。

 

敗血症/血液培養

針を血管内に穿刺する際に皮膚の常在菌が混入する可能性がありますが、血液は本来無菌である筈なので、血液培養で細菌が検出されれば、ほぼ原因菌として考えて良いです。

ただ、培養が1回だけ(1セット)だと感度が下がるので、培養は2回提出します。できれば別の腕で採取したほうが望ましいです。

 

肺炎/喀痰培養

患者本人が喀出した痰は口腔内常在菌を通過するため、検体は口腔内常在菌が混入しているため、原因菌の断定は難しいです。

呼吸器疾患の原因菌として頻度が高い細菌や口腔内常在菌でない細菌が検出された場合は原因菌である可能性が高くなるが、口腔外科の患者さんの肺炎といえば誤嚥性肺炎であり、原因菌が口腔内細菌となるため、慎重な判断が必要です。

 

尿路感染症/尿培養

尿道には常在菌がいるため、尿検体における常在菌の混入は避けられません。

だから尿検体を取る時に中間尿をとる訳ですが、、、

尿定量検査の結果などを踏まえた判断が必要です。

 

 

また、いずれの培養採取も必ず抗菌薬の開始前に取りましょう。

抗菌薬の開始後に培養を採取すると、原因菌が叩かれた後なので培養で増殖されず、感染に関係ない常在菌が培養される恐れがあります。

 

 

まとめると、、

どんな培養検体採取の手技も常在菌や感染に寄与しない細菌の混入(コンタミ)があり得る。

特に喀痰培養なんて意味があるのか疑問である(内視鏡とかで採取したら話は別だけど)。

同定された細菌=原因菌であると鵜呑みにするのではなく、

  • どの位の菌量が同定されたのか(原因菌は常在菌より桁違いに多い)
  • 検出菌は創部の常在菌が混入しただけでないか
  • 抗菌薬の使用後に症状や臨床像は改善しているか

といった背景が重要。

それだけでなく、現病歴や臨床所見、ラボデータなども含めて総合的に判断する必要がある。

 

抗菌薬の種類

ペニリシン系?ニューキノロン系?

狭域スペクトラム?広域スペクトラム

色々複雑で難しいですね

多用されるペニシリン系とセフェム系について、歴史的な背景を踏まえてしゃべります。

 

まずは、病名と主な原因菌の表を確認。

ペニシリン

新しい抗菌薬ほど

GNR(グラム陰性桿菌)に対して幅広く効くようになっている。

代わりにGPC(グラム陽性球菌)への効果が下がりがち。

 

PCG(ベンジルペニシリン)

 WWⅡ頃にフレミングが青カビから発見しました。

大昔はGPCのブドウ球菌と連鎖球菌に使用できたようですが、ブドウ球菌はすぐに耐性(βラクタマーゼで抗菌薬を分解する機構)ができてしまいました。

ですので使う機会としては、原因菌に感受性があったときにde escalationとして変更する時くらいでしょうか。

とはいえ大沢たかおがタイムスリップして作ったカビが21世紀の病棟でもたまに使われていると考えると感慨深いですね。

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そこでペニシリンにアミノ基を付与することで、代わりにGNRも効くようにしました。それが

AMPC/ABPC(アモキシシリン=サワシリン/アンピシリン=ビクシリン)

これで腸球菌(GPC)と一部のGNR(E.coli:尿路感染症の第一原因菌)にも効果が出るようになりました。

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院内感染の原因菌(SPACE)に対してもっと効かせたい、、

PIPC(ピペラシリン)

緑膿菌に効くのが特にポイントです。

SPACE(特に緑膿菌)に効いてくれます。

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ただAMPC/ABPC/PIPCはβラクタマーゼのせいでブドウ球菌に効かないまま、、

そこで、βラクタマーゼ阻害薬を開発し、抗菌薬に混ぜた訳です。

AMPC/CVA(オーグメンチン)

βラクタマーゼ阻害薬を入れてみました。 

βラクタマーゼは主に黄色ブドウ球菌やGNR、嫌気性菌が持っています。

よって、MSSA(黄色ブドウ球菌)やGNR、嫌気性菌に効果が出るようになりました。

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PIPC/TAZ(タゾピペ、ゾシン)

PIPCにβラクタマーゼ阻害薬を入れることで、PIPCが嫌気性菌までカバーできており、

カルバペネム系(メロペネム)と並んで広域スペクトラムの代表核となっています。

 

ただ抗菌薬なんてなんぼあってもいいですから。

ペニシリン系の基本構造を少しいじったのがセフェム系です。

 

セフェム系

初代のセフェム系はGPCに効くものでしたが、改良を重ねてGNRにも効くように広げていきました。

ただ、MRSAや嫌気性菌には効かないことが特徴です。

 

第一世代 CEZ(セファゾリン、ケフレックス)

GPC(グラム陽性球菌)に効きます。

ペニシリン系では対応しきれかなったStreptococcus(ブドウ球菌)に効くのが最大の特徴です。

S.aureusやS.epidermis,MSSAといった、感染症の原因になる皮膚常在菌に効いてくれるので、体表を切開する手術の術前後で重宝されます。

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GPCにしか効かないので、GNRにも効くようにスペクトラムを広げていきます。

ペニシリンの時と同じですね。

 

第二世代 CTM(セファチオム)

PEK(尿路感染症の原因菌であるGNR3種)に効くようになりました。

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第2.5世代CMZ(セフメタゾール)

CTMから改良され、嫌気性菌にも効くようになりました。

嫌気性菌に効くのはこのCMZだけです。

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第3世代 CTRX(セフトリアキソン)

GNRの範囲を広げました。

特にSPACE(院内感染の原因菌5種)のうちS,C,Eにも当たるようになりました(P:緑膿菌は×)。

感染症の2大巨頭である肺炎や尿路感染症に有効で、使う頻度は高いです。

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第3.5世代 CAZ(セフタジシム)

更にGNRの範囲を広げ、緑膿菌を含む広い範囲でGNRに当たるようになりました。

ただ、代わりにGPCが効かなくなりました、、

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第4世代 CFPM(セフェピム)

GPCが効かなくなるのは勿体無いと言うことで、GPCにも効くようにしました。

つまり、

GNRに広く当たる第3世代と

GPCにしっかり当たる第1世代

この2つの世代の抗菌薬のスペクトラムを合わせた抗菌薬になります。

なので、セフェム系の中では広域スペクトラムになりました。

 

 

βラクタマーゼは主にペニシリンだけを無効化させる、細菌が抗菌薬と戦うために生み出した基質でした。

ただ近年は細菌側も生存のために進化を遂げており、

セフェム系(第三世代とか)の抗菌薬など、βラクタム系の多くの抗菌薬を無効化する基質が作れるようになってきました。

これを基質特異性拡張型βラクタマーゼ(extended-spectrum β-lactamase=ESBL)と呼びます。

今は主に腸内菌がESBLを作っています。

例えば尿路感染症に対してよくCTRXを投与するのですが、ESBL産生菌だと効かないことがあるので注意が必要です。

 

ではESBL産生菌には何を投与すればいいのか?

カルバペネム

カルバペネムは簡単に言うと最強です。

最強と言うと語弊は出ちゃうのですが、、万能って表現の方がいいかも

MEPM(メロぺネム、メロぺン)

GPC,GNR,嫌気性菌まで効く広域スペクトラムの代表例です。

よって、原因が明らかでない重症感染症やESBL産生菌による感染症等に対して使うことがあります。

ポイントとして、

最後の切り札としての役割であり、無駄に頻用すると耐性菌ができてしまい、将来的に抗生物質が使えない感染症ができてしまう可能性があること

・全ての細菌に当たる訳でなく、MRSAなどは叩けないので、信用しすぎてはいけない

ことが挙げられます。

 

各疾患における抗菌薬の選択

口腔内の歯性感染症(歯周炎)

主な原因菌はStreptococcus、Peptostreptococcus,Prevotellaです。

StreptococcusとPeptostreptococcusはGPCのレンサ球菌です。

GPCのレンサ球菌に効いてくれて、狭めのスペクトラムの抗菌薬はなんでしょうか?

AMPCはStreptococcusによく効いてくれるし、不要に広くないので、AMPCが第1選択になります。

PCGの方がスペクトラムが狭くて良さそうに思えますが、PCGを使うと細菌達はすぐ耐性機構を会得してしまい(=誘導耐性)、効かなくなってしまうので、AMPCを使います。

 

Prevotellaは代表的なGNRの嫌気性菌です。

嫌気性菌はβラクタマーゼの形成能を持っていることが多いため、AMPCやCTRX等には効きづらい(MIC90値が大きい)です。

嫌気性菌は膿瘍形成し、組織移行性が悪く難治性になりがちです。

よって、重症の歯性感染症の場合は原因菌として嫌気性菌を疑います。

嫌気性菌はβラクタマーゼの形成能を持っていることが多いため、βラクタマーゼ阻害薬を含んだSBT/ABPCが適応です。原則から少し外れますが、CTRXも効いてくれます。

第二選択としてCLDMが推奨されていますが、CLDMはGPCとGNRの半分以上の菌には効いてくれますが(MIC50は低値)、全ての菌株には効かない(MIC90は高値)ため、低感受性の菌株があることに注意しましょう。

3日間くらいの投与が目安らしいです。

嫌気性菌に対しては酸素環境にするために外科的ドレナージの併用も大事になってきます。

 

IE予防

IEの高リスク群(人工弁の人など)の患者に対して観血的歯科処置(抜歯や感染根管治療、Sc)の施行時はIEのリスクがあるため、予防的な抗菌薬の投与が強く推奨されています。

観血的歯科処置を行うと、処置後数分間は細菌が血液中に侵入し、一時的な菌血症になる。

従って、処置直後に一時的な菌血症に陥る際に抗菌薬を最大血中濃度にしておきたいので、処置1時間前の単回投与を推奨しています。

原因菌の殆どはレンサ球菌(Streptococcus)なので、やはりAMPCが第一選択です。

歯周病の原因菌は嫌気性菌なので、血中での生存は難しく、IEの原因にはなりづらいようです。

 

院内肺炎

入院48時間以降に新しく出現した肺炎のことです。

口腔外科で入院中の患者さんでもなり得ます。

まずはグラム染色して、原因菌の目星を立てます。

case by case なので、詳細はガイドラインを確認して欲しいのですが、簡単に説明しますと

GPCであれば、原因菌の多くはStreptococcusやStaphylococcusで、

ブドウ房状であればMSSAが疑われるので、CEZやABPC/SBTが選択されます。

レンサ球菌であればPCGやABPCが推奨されます。

GNRであれば、H.influenzaeや腸内細菌、緑膿菌etc...疑われます。

耐性菌のリスクが低ければABPC/SBT等を選択します。

 

 

誤嚥性肺炎

誤嚥性肺炎は口腔内細菌を含んだ唾液や食片を誤嚥することで生じる肺炎です。

右気管支の方が太くて垂直に走行しているので、CTで右肺の気管支周囲に陰影が生じるのが特徴です。

誤嚥性肺炎は比較的時間に余裕があり、原因菌の多くが口腔内常在菌なので、GPCだけでなく、GNRや嫌気性菌までカバーするために、βラクタマーゼ阻害薬を含んだABPC/SBTが第一選択になります。

ただ、院内肺炎で緑膿菌が原因菌である可能性があったり、肺炎が重症化していたり、耐性菌のリスクが高い場合は、TAZ/PIPCやMEPMといった広域の抗菌薬が第一選択となります。

7日間くらいの投与が目安です。

 

尿路感染症

直腸の常在菌が尿道を経て上行性に侵入し、腎盂腎炎や膀胱炎などを引き起こします。

なので、腎盂腎炎は性的活動が激しい女性に好発します。

口腔外科で多いのは尿カテが原因の尿路感染症でしょう。

下半身に多いのはGNRでしたね?

原因菌として多いのは直腸の常在菌であるPEKや緑膿菌です。

従って、PIPC/TAZ等が第1選択です。

反応があれば1週間程度使用します。

尿培から細菌が検出されることは多いのですが、尿道にも常在菌はいるわけで、尿培から細菌が検出されても、90%は感染症でなく、抗菌薬の適応外であることに注意してください。

 

抗菌薬の投与法

抗菌薬の投与量は添付文書をみましょう。

ただし、何を考えながらその投与方法になっているかを考える必要があります。

 

時間依存性・濃度依存性

抗菌薬には時間依存性と濃度依存性があり、

時間依存性:ペニシリン系、セフェム系、カルバペネム

濃度依存性:マクロライド系、アミノグリコシド

です。

従って、ペニシリン系やセフェム系は1日に3回程度で分けることが多いです。

その中でも、抗菌薬の半減期の長さで分2になったり分4になります。

例えばPCGは半減期が短いため、分6で投与します。

 

PK/PD理論

患者に同量で複数の抗菌薬を投与すると、抗菌薬の種類によってADME(薬の吸収、分布、代謝、排泄)に差があるため、病変部位の薬物濃度/動体は抗菌薬の種類によって異なる(=PK=薬物動体)。

また、病変部位の薬物濃度が同じでも、細胞の受容体との結合やシグナル伝達の程度にも抗菌薬の種類によって差があるため、作用の強さは抗菌薬の種類によって異なる(=PD=薬力学)。

 

例えば、脂溶性の薬物は腸管で吸収されやすいので血中濃度は上がりやすいし、腎代謝の薬は腎不全の患者において排泄されづらくなるので血中濃度が上がりやすい。

 

難しい専門用語に聞こえますが、抗菌薬によって体への反応の程度が違うから、それを調整して投与しようねって話です。

 

腎機能

添付文書を読んでも、腎機能に準じて適宜減量する必要があります。

多くの抗菌薬は腎臓から尿中に排出されますが、腎機能が低下していると体内に抗菌薬が貯留しやすくなり、副作用が生じるため、腎排泄の抗菌薬はcCrを参考にして減量する必要があります。

cCrが30以下、10以下、透析中かどうかで漸減していくイメージ。

ネットで検索すれば調整量はいくらでも出てくるのでここでは割愛します。

 

 

抗菌薬は過剰に使うと耐性菌の出現や副作用の出現などがありますが、

少なすぎると意味がなく、ただ体を傷つけるだけにもなるので、適切な量を適切な期間だけ投与することが重要です。

 

De escalation・感受性の読み方

感染症の人に対して最初に抗菌薬を投与する際に

「診断としてはCT画像や臨床所見より○○感染症が疑われる。

この場合の原因菌は△△菌や□□菌であることが多い。

こいつらは××抗菌薬に対して感受性がある確率が高いから、まず培養を採取したら

××抗菌薬を開始しよう。」

と考えて抗菌薬を開始すると、熱や炎症反応の値が下がってきました。

最初に使った抗菌薬は診断名から原因菌を推測しているので、原因菌を外さないように広めのスペクトラムの抗菌薬を採用しています。

 

2,3日すると培養と感受性の結果で、★★菌が検出され、各抗菌薬の感受性が判明しました。

この時に、より狭いスペクトラムで感受性がある抗菌薬に変更することをde escalationと呼日ます。

 

では、感受性の結果はどのように評価すればいいのでしょうか。

 

感受性結果

培養で検出された細菌の感受性結果はこのように表記されて届きます。

このMICというのは最小発育阻止濃度のことで、

値が小さいほど、少ない抗菌薬の量で効果があることを示しています。

 

アメリカの偉い施設(CLSI)が各抗菌薬毎に 効くor効かない の基準値を提示していて、それを基にS(sensitive:効果あり), R(Resistant:効果なし),I(Intermediate:中間)を区分しています。

 

CLSIは菌種毎に抗菌薬の基準値を設定しているので、かなり細かく設けてくれています。

ですが注意点として

  • 感染臓器は考慮されていない

    S判定でも組織移行性が悪い臓器であれば効果が期待できない

  • 米国の基準で判断されている

    投与量が日本と異なるので、S判定でも、米国より投与量や投与頻度が低い日本の

    制度では効果が不十分で期待できない場合がある

    特にペニシリン系は顕著に投与量が異なるため、S判定でも効かないことがある

  • 薬剤間の比較はされていない

    MICの大小で抗菌薬を選択しても意味がない。

    例えMICが小さい抗菌薬があっても、中毒量が高いため多量の抗菌薬を投与できない

    薬剤であれば効果がない。

があり、ADMEの個人差や患者背景、副作用等も含めて複合的に判断する必要があります。

 

アンチバイオグラム

抗菌薬の選択で更に話を難しくする因子として、細菌の個性があります。

前提として、人間と同じく細菌も1つとして全く同じ細菌はいないことを念頭に置くと良いです。

 

例えば日本人の中でも納豆が好きな人と嫌いな人がいるように、

××菌の中でも○○抗菌薬に効く菌と効かない菌がいる訳です。

ただ大体の日本人は納豆を食べられるが、大体の欧米人が納豆を苦手とするように、

大抵の××菌は○○抗菌薬が効く、と判断することは出来ます。

これが所謂「××菌は○○抗菌薬が効く」と表現されているものです。

 

では、何割の日本人が納豆を好むのか?

1億2000万人に聞くのは無茶ですが、A病院の患者に限れば行けそうですよね。

納豆文化が根付いた東京にあるA病院と、納豆文化が根付いていない大阪にあるB病院では割合が違いそうではないですか?

 

細菌も同じで、○○抗菌薬が××菌の何割に効くか(=耐性菌がどれだけ増えてしまっているか)は病院によって異なります。

抗生物質を適切に使用している病院は全S.aureusのうちMRSAの割合が少ないが、ゾシンをジャバジャバしようしている病院はMRSAの割合が多くなっていそうです。

 

よって、××菌は○○抗菌薬に対してどれほど耐性があるか/感受性があるか を病院ごとにまとめています。

これをアンチバイオグラムといいます。

アンチバイオグラムの表をみると、抗菌薬の選び方も変わってくるかもしれません。

 

抗菌薬の変更

上記内容を踏まえて適切な抗菌薬が幾つか挙げられたら、その中でスペクトラムが狭い抗菌薬を選択します。

狭いスペクトラムや広いスペクトラムの定義や分類があるかと言われたらありません。

あればいいのに....と思うのですが、そんな簡単な話ではありません。

 

例えば組織移行性やアンチバイオグラムなど...

抗菌薬がその細菌に効くかどうかはcase by case であり、効く or 効かない の2択で分けることは困難なのです。

 

ただ、明らかにPCGよりMEPMの方がスペクトラムは広いですよね。

また、ペニシリン系やセフェム系は新しい抗菌薬ほどスペクトラムは広くなる傾向になります。

ですので、狭い抗菌薬に変更するためには明確な答えはないのですが、各抗菌薬の特徴を簡単にでも知っておくことで対応できるでしょう。

 

抗菌薬の終了

各疾患のガイドラインに抗菌薬の推奨使用期間があるので、それを参考にします。

身体所見やL/Dを参考にして、適宜増減しましょう。

 

 

 

下顎骨骨折に対する観血的整復固定術の術式

下顎骨骨折に対する観血的整復固定術は比較的お目にかかる手術です。

今回はそんな手術の術式についてまとめます。

 

 

下顎骨骨折の概要

成人の下顎骨骨折に対してはプレートによる観血的整復固定術を行うことが多い。

骨折した下顎骨の形態において、下顎骨の筋肉の付着や走行を考慮すると、歯槽頂側は2つの骨片を引き離す方向に力が働き、下顎縁側はぶつかり合う方向に力が働く。

 

従って、なるべく歯槽頂側でプレート固定するのが理想だが、実際は歯根の存在やプレートの破折のリスクがあるため、歯槽頂側で固定するのは困難である。

 

そのため、歯槽頂側の引き離される力と下顎縁側のぶつかり合う力が相殺される領域(Neutral zone = Champy line : 下顎管のやや上方の位置)にプレートを1枚で固定する方法が臨床上で用いられている。

 

オトガイ部は上記の力に加えてねじれ力も働くため、例外的にプレート2枚による固定が理想的である。

2枚のプレートは5mm以上開けてなるべく平行に固定することが望ましい。

 

術式

赤線が術者の手技

緑線が助手の手技です。

下顎正中骨折

切開

助手

 筋鉤もしくは双指で下口唇を翻し、前方へ引っ張ることで切開線を明示させる

 

術者

 12時方向に立つ。

 15番メスで粘膜面に対して垂直に粘膜切開を行う。

 右利きであれば右下顎から左下顎の向きで切開した方がやりやすい(メスは引く動作)。

ある程度の層まで粘膜切開を行ったら、電メスで顎骨に対して垂直方向に粘膜骨膜切開を行う

切開時にフラップを有鈎鑷子で持ってあげるとメスが入れやすくなる。

 

ポイント

・切開は歯肉溝移行部に設定する。

・切開線は3-3程度だが、骨折線と下顎孔の位置に準じて調整する。

 

剥離

骨膜剥離子(ラスパ、モルトなど)で下顎縁下まで剥離を進め、骨折線を明示する。

 

 

完成図

 

 

ポイント

・剥離範囲は逆反りの筋鉤が入るまで剥離する。先まで剥離し過ぎるとオトガイ付着筋を過剰に剥離してしまうので、逆反りの筋鉤が入ればそこまでにする。

・骨折線上は炎症反応によって綺麗に剥離できなくなっているので、両端(非骨折線上)から剥離を進める。両端の剥離を行い、残った骨折線上の粘膜を電メスで適宜使いながら前方に進めていく。

 

 

リダクション

ヘーベルで歯を割るイメージで骨折線内に剥離子等を挿入し、各骨折片が可動して整復・復位できるようにする。

骨片間に血腫や肉芽組織があれば必要に応じて除去する。

 

ポイント

咬合不全がなく、骨折線間に明らかな肉芽組織等認めない場合は、わざわざリダクションをしなくても良い。

 

 

プレート固定

予定していた位置にプレートを置く。

手や有鈎ピン、粘膜剥離子でプレートを固定予定の位置から動かないように止める。

スクリューの穴を下顎骨に対して垂直に空ける。

 

 

ポイント

・予め歯根の長さや下顎孔の位置をCTにて確認し、歯根や下顎孔と重複しないようにする。

・プレートは基本4穴で。プレートの中央がなるべく骨折線上に来るように固定する。

・スクリューの穴を開ける時は全力(ベタ踏み)でバーを回転させながら骨に挿入し、奥まで入ったら引く。引いてからバーの回転を止める(ペダルから足を離す)。奥までバーを入れて回転を止めてしまうと引っこ抜けない。
・穴を開ける時はブレないようにする。ブレてしまうとスクリューが底部まで入らなくなる。

 

 

ネジがしっかり固定されるためのネジネジ(=タップ)を掘る。

 

ポイント

皮質骨だとかなり硬いが、しっかりタップを掘らないとスクリューが入らなくなる。

 

ドライバーにネジを付与させて、開けた穴に差し込む。

片手でドライバーを把持しながら回し、ネジでプレートを固定する。

 

ポイント

・片手でドライバーを扱う。ドライバーの頭は掌で覆う。両手で行うと軸がズレてしまい、スクリューが入らない原因となる。

・ネジ穴を優しく模索し、ネジ穴にスクリューが入ったら、ネジ穴を開けた方向でドライバーを回す。少しでも挿入する方向がズレるとスクリューが最後まで入らず浮いてしまう。

 

 

縫合

少なくとも1カ所は筋肉、骨膜それぞれを拾って縫い合わせる。

 

ポイント

縫合糸が不動粘膜である付着歯肉にかからないようにする。

口腔外科で多用するシェーマの書き方

シェーマとは身体部位の絵図のこと。

腫瘍や嚢胞の病理提出やカルテ記載など、口腔外科でシェーマを使用する場面は多い。

最低限のシェーマを描けることが口腔外科研修医の甲乙をつける上でのポイントとなる。

 

絵が上手い人なら苦ではないが、作画が苦手な人にとってシェーマはひと苦労。

 

口腔領域で多用するシェーマは限られているので、その書き方だけ抑えておけばなんとかなるはず。

ということで頻用シェーマの書き方を学んでいこう。

 

 

舌の側縁

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舌背部

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口腔全体

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下顎臼歯部

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シンプルなのもアリ

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口蓋

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上顎骨

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こんど絵描き歌つくろっと

歯科医師・口腔外科医が学ぶ アレルギー・アナフィラキシーの対応

歯科医師業を行うとアナフィラキシーに遭遇する場面はいつ遭遇してもおかしくない。

 

アレルギーとアナフィラキシーの違い

1言で言うと、アレルギーのうち重症のものをアナフィラキシーと呼んでいる。

 

人間には体内に異物が侵入すると、免疫力で排除する機能を持っている。これのお陰で身の回りに病原菌が溢れる日常の環境下でも生存できている。

 

これは諸刃の剣みたいな面もあって、実際は体に無害なはずの物質に対して体が勘違いし、免疫力が過剰に反応してしまう事がある。それがアレルギー反応。

例えば花粉症の人は、目や鼻から侵入する花粉に対して反応を起こし、涙や鼻水で排出を試みている。

この免疫反応が全身で生じて多臓器に影響を与えると、特にアナフィラキシーという表現になる。

 

アナフィラキシーとの遭遇

歯科医師が歯科医業を行う上でアナフィラキシーに遭遇する場面としては、

局所麻酔・抗生物質・鎮痛薬 を契機とする事が殆どであろう。

 

局所麻酔

歯科医師が麻酔薬として使用するカートリッジは

オーラ注(リドカイン) シタネスト(プロピトカイン=プリロカイン)

の2種類である。

Lidocaine Prilocaine いずれもアミド型の麻酔薬。

アミド型の麻酔薬は麻酔薬自体がアレルギー反応の抗原となることは少なく、防腐剤として添加されているメチルパラベンアナフィラキシーを起こす殆どの原因となっている。

 

抗生物質

歯科医師が処方する抗生物質としては口腔内細菌によく効くペニシリン系や毒性が比較的少ないセフェム系を処方する事が多いが、ペニシリン系とセフェム系アナフィラキシー反応が他のAbxと比べて起こしやすいと言われている。

 

ペニシリン系とセフェム系はβラクタム冠を有しており、細胞壁の合成阻害で殺菌的(分裂を阻害する)に作用するため、細胞壁を持たない人類には毒性が比較的少ない。

 

鎮痛薬

NSAIDsやカロナールいずれもIgEを介した免疫学的なアナフィラキシーのリスクがある。

ただそれとは別で、NSAIDs不耐症という疾患も注意が必要。

NSAIDs不耐症はIgEを介した免疫学的反応とは異なる。

NSAIDs不耐症はcox-2活性が低下した薬理学的変調体質の患者に対してcox-1阻害薬を使用することでPG等サイトカインが変値になり発疹や血管浮腫といった症状が生じる疾患であり、厳密な意味ではアナフィラキシーと異なるが、対応はアナフィラキシーと変わらない。

 

いずれも使用後数分〜半日以内の全身発疹や血管浮腫・呼吸困難などを呈する。

 

その他

一般開業医だと上記が多いと思うが、口腔外科の範囲だと造影剤や血液製剤など多岐に渡る。

実際のところ、麻酔や鎮痛薬よりも造影剤や血液製剤抗生物質の方が頻度が高い。

アナフィラキシーの定義

簡単に噛み砕くと

皮膚の発疹・紅斑や粘膜の腫脹などが急速(数分〜数時間)に発症し、

1. 呼吸器症状:呼吸困難・喘鳴など

2. 循環器症状:血圧低下、臓器不全(失禁、失神など)

3. その他:消化器症状(腹痛、嘔吐など)

上記1-3のうち少なくとも1つを伴うものがアナフィラキシー

 

ただし、アナフィラキシーの既往がある人が原因抗原に感作して血圧低下や喉頭症状などあれば、皮膚症状がなくてもアナフィラキシーとして対応しても良い。

 

アナフィラキシーの症状

皮膚や粘膜症状が90%で最もよく見られる。

次に気道症状で70%程度。

程度に幅が広いが、致死的なアナフィラキシーで呼吸停止や心停止になるまでの時間は、薬なら5分で食物だと30分程度と謳われている。

感作されてから数分〜数時間後に症状が出ることが多いが、症状が1度改善した後に症状が再燃

する事がある(=2相性反応)。

 

アナフィラキシーの対応

体位

 基本的には仰臥位だが、呼吸困難があれば座位、意識消失があれば回復体位にする。

急に座位や立位にすると心室や大静脈の循環血液が空になって循環を増悪させ、薬効が著しく低下する。従って、急に体位を変えることは避ける。

下肢を挙上させて血圧を上げる(エビデンスあり)。

 

薬物治療

まずは大腿中央の前外側にエピペン(アドレナリン)を筋肉注射する。皮下中だと吸収が遅くなるので注意。

大人であれば0.5mgで、子供であれば0.01mg/kgの量をIMする。

アドレナリンは注射後10分で血中濃度が最高値になり、40分で半減するため、5〜15分待っても症状が改善しない場合は繰り返し投与を行う。

アナフィラキシーに対するアドレナリン投与では禁忌がないため、躊躇せず投与する。

 

繰り返しアドレナリンをIMしても症状が改善しない場合はDIVでアドレナリンを5-15μg/min の流速で持続注射するが、ACS(急性冠症候群)のリスクもあるため気を付ける。症状が改善したらAdを急に止めるのではなく漸減していく。

 

ヒスタミン薬(ポララミン5mg or ガスター20mg    +NS 50mg)は皮疹や紅斑・鼻漏には効果を示すも、呼吸器症状や循環器症状には意味を持たないため救命効果を持たない。

ステロイド薬は抗炎症作用を持つも、作用するまでに数時間を要するため緊急の救命効果を持たない。

 

従って、目の前でアナフィラキシーを起こしたら薬物治療として大腿部にエピペンを投与する事が重要。

 

エピペンの使用方法

青色のキャップを外す。

大体の前外側にオレンジ色の先端をカチッというまで5秒間押し込む。

先端のオレンジ色の先端カバーが伸びていたら投与できている印。

救急車を呼ぶ。

 

症状への対応

エピペン投与後は症状を見ながら、それに準じた対応を行う。

まずはMOI(モニター、酸素投与、ルート確保)しよう。

呼吸器症状

呼吸器症状には酸素マスクによる酸素投与、挿管を考慮する。

 

循環器症状

血圧が低下していたらルートから等張晶質液1~2Lを1時間かけてボーラス投与して昇圧する。

 

 

症状が改善しても

エピペンを投与したりしてアナフィラキシーの症状が改善しても、体に残存している抗原によって症状が48時間後までに再燃する事がある(2相性アナフィラキシー)。

アドレナリン投与が複数回行った症例やアドレナリン初期投与が遅れた症例でよく散見される。

ステロイドを予防的に投与する考えがあるが、エビデンスはなく推奨されていないので、予防は難しい。

症状が改善して帰宅となった患者には皮膚症状が再燃した場合用の抗ヒスタミン薬を処方した上で、症状が再燃する可能性について説明し、症状が再度出た際は再度受診するように伝える必要がある。

ドレーン管理について

口腔外科の診療で口腔内や頸部にストローのような物が留置されていて、ストローの先のバッグの中に血液が入っている様子をよく見かける。

歯学部の学生は歯の疾患ばかり勉強するため、どの学生も初めて口腔外科に行って衝撃を受ける理由の1つだと思う。

 

今回はドレーン管理について考える。

 

ドレーンとは

体内に血液や膿・滲出液等が貯留すると、感染や圧亢進を引き起こしたり、隣在組織を圧迫し、場合によっては致死的になる。従って、リスクがある場合はそれらを排出する必要がある。

体内に貯留する血液や膿・滲出液などを体外に排出させる管をドレーンと呼び、排出することをドレナージと呼ぶ。

 

口腔外科領域だと、下顎骨切り術や頸部郭清術・膿瘍などでよく使用する。

ドレーン管理の種類

開放式or閉鎖式

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ドレーンの排液先が外界に解放されているか、排液バッグに接続しているか に分類される。

開放式

ドレーン先が外界に開放されている。先端をガーゼなどで軽く圧迫しておくことも多い。

創部からストローが飛び出ているだけなので患者さんへの負担や移動制限は少なく、排液の効率も良いが、逆行性感染のリスクが高くなる。

口腔外科領域では、蜂窩織炎や膿瘍で開放式ドレーンをよく用いる。

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閉鎖式

ドレーン先が排液バッグに接続され、排液がバッグに貯まるようになっている。

創部からドレーン先までいずれも外界から遮断されているため逆行性の感染リスクが下がる。

また、排液がバッグに溜まるので排液を観察できたり排液量を換算できる。

一方で、バッグの影響で患者さんの移動制限を来たす。

口腔外科領域では、下顎骨切り術や頸部郭清術などでよく用いる

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半閉鎖式

パウチを用いる。口腔外科では中々使わないと思う。

 

 

ドレーンの種類

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フィルム型

代表的なものでペンローズ型ドレーンが有名。

柔らかいので患者さんへの負担は小さいものの、粘稠な排液だと特に内腔が潰れやすくなる。

入れ替えや洗浄が困難である。

口腔外科領域ではペンローズ型をよく用いる。

 

チューブ型

比較的硬くて丈夫なので粘稠な廃液でも内腔が潰れない。

洗浄しやすく入れ替え可能。

 

サンプ型

複数の内腔を持ち、一方の空から外気を取り入れ、他方から体液を排出する。

持続洗浄も可能であり、廃液量が多い場所に有効。

 

ドレーンの原理

ドレーンの吸引作用は受動的or能動的に分けられる。

 
受動的

外力に頼らず、毛細管現象やサイフォンの原理といった自然科学の原理で吸引する。

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能動的

廃液バッグに付属した吸引器が廃液バッグに陰圧をかけて吸引する。

 

ドレーン装着

口腔外科領域ではJ-VACドレナージシステム(ペンローズドレーン、持続吸引廃液バッグ)を使う機会が殆どである。

J-VACドレナージシステムの装着

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ドレーンの固定

創部にドレーンを留置し、長さを測定する。

その位置でループ状に縫合して固定する。

 

吸引廃液バッグの装着

ドレーンの先端を廃液バッグのコネクターに接続する。

下方のフラップ部を上方に折り曲げて陰圧をかける。

吸引していることを確認する。

吸引できない場合は創部が開放されていて陰圧がかかっていなかったり、ドレーンのどこかが障害・閉塞している可能性など考えられる。

 

ドレーンの周術期管理

周術期上でドレーンから分かることは多い。

一方で、人工物を体内に留置しているため、適切な管理が求められる。

 

ドレーンの留置・固定

ドレーンを創部に留置すると、留置した周囲から滲出液が漏出するため、Yガーゼをドレーン固定部に留置することが多い。

 

 

また、患者が移動する際にドレーンが邪魔にならないように、ドレーンを患者の体幹に固定する。体幹にドレーンを固定する時は、まず土台となるテープを貼り、その上から少しドレーンを浮かせながら巻き付けるような形で固定することで、テープの接着面積を広げ、皮膚への損傷を減らすことができる。

使用するテープは角を丸めることで、皮膚の損傷を減らせると言われている。

 

排液量の測り方

排液口を開いて空気を入れ、排液バッグのメモリから確認できる。

少量であったり正確に測る場合は排液口から排液をコップに注ぎシリンジで計測したり、計量系で重さを測って計測する。

 

排液後の再起動

空気が入った排液バッグの正中を指で押さえ、音が鳴るまで押す。これで空気が出ていく。

底部のフラップ部を逆に折り曲げてロックする。

ここで排液口を締める。

底部のフラップ部を上方に折り曲げて最吸引する。

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廃液の評価

色:血性・淡血性・淡黄血性・淡黄色(漿液性)

淡血性であれば出血が落ち着いてきていることを示

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性状:漿液性or粘液性

漿液性であれば安定している

粘液性であれば炎症や組織の混入などが疑われる

 

ドレーンの管理

  • 閉塞することが多いので、手や専用器具でドレーンを流す(=ミルキング)を行う。特に血性の排液がある場合は積極的に行う。
  •  

  • テープかぶれやドレーン挿入部の発赤がないか見る
  • 逆流防止のため、ドレーンは創部より必ず下の位置に置く。

歯科医師・口腔外科医が学ぶ救急学 Circulation異常所見への介入

First surveyであるCに異常所見を認めた際の介入を考える。

 

Cの異常所見

Cの異常所見としては徐脈頻脈・血圧の低値高値などがある。

 

 

循環の原理

1.酸素運搬量

動脈血酸素含有量(末梢に酸素を送れる量)の式は

1.34\cdot Hb\cdot S_{a}O_{2}+0.003\cdot P_{a}O_{2}
で示される。
Hb,SaO2,Pa02の係数は同次元であるため、上記式は
1.34\cdot Hb\cdot S_{a}O_{2}
で近似される。
 
従って、酸素の運搬量は
心拍出量・Hb・SaO2 に依存する。
 

2.酸素消費量

酸素消費量は
13.4\cdot Hb\cdot \left( S_{a}O_{2}-S_{v}O_{2}\right)
S_{v}O_{2}=混合静脈血酸素飽和度)
であるので、
酸素消費量=心拍出量・13.4\cdot Hb\cdot \left( S_{a}O_{2}-S_{v}O_{2}\right)
となる。

3.抹消の灌流

血液内に酸素が含有されていても、抹消まで血圧が保たれていなければ、抹消まで血液が巡らないので十分に運搬できない。
 
圧差 ΔP=動脈圧(MAP)-静脈圧(CVP) が大きいほど末梢に多くの酸素を渡せている。
特に、臓器へしっかり還流できているかは入り口=MAP が重要で、目安として65mmHg以下だと臓器の灌流不全による臓器不全が引き起こされる。
つまり、MAPを凡そ65mmHg以上になるよう安定させることが求められる。
 

循環の改善

では循環不全があった場合はどう対応すればいいか?

 1.Hb,SaO2の適正化

 1の酸素運搬量を増加させるには、HbとSaO2値の改善が必要となる。

Hbが低値であれば輸血し、SaO2が低値であれば酸素投与を行う。

 

2.心拍出量の適正化

 1.の酸素運搬量の増加/2.の臓器機能の顕然化 のために、血液を送り出す心拍出量が適正化される必要がある。

 心拍出量=HR×1回拍出量(stroke volume:SV)

 1回心拍出量は

・前負荷(血管内volume)

・心収縮力

・末梢血管抵抗=血圧

の適正化が必要。

 

従って、

前負荷が小さい(血管内volumeが少ない) → 補液

心収縮力が小さい → 強心薬

を行う。

 

3.MAPの適正化

 3.灌流量の適正化

灌流量を適正化させるためには上記の血管内volume・心収縮力に加え、抹消血管抵抗を改善させる必要がある。

 抹消血管抵抗を測定するデバイスはないので、抹消血管抵抗の低下が疑われたら血管収縮薬(NAdなど)を使用する。

 

 

 

ショック

特にtopicとなるのがショック状態のとき。

ショックの定義は”抹消組織の酸素供給と需要の不均衡”である。

臨床所見ではショックの5P が有名。

ショックの5Pとは

Pallor(顔面蒼白)

Perspiration(冷汗)

Pulseless(脈拍触知不能)

Prostration(虚脱)

Pulmonary insufficiency(呼吸不全)

のことです。

勿論これだけではなくて、CRT延長や網状皮斑、ツルゴールの低下などの所見を踏まえて総合的に診断する。

 

ショックの分類と対応
1. 循環血流量減少性ショック
 出血や脱水 →
 IVC:虚脱 心臓:頻脈、過収縮 抹消血管抵抗:上昇
→輸液や輸血
 
2. 心原性ショック
 IVC:拡張 心臓:収縮低下 抹消血管抵抗:上昇
 →補液、強心薬
  心機能が悪いので本当は補液をしたくないが、灌流を維持するにはやるしかない
 
3. 心外閉塞性ショック(心臓は元気だが、他の要因で静脈血が心臓まで戻ってこない)
 心緊張性気胸、肺血栓塞栓症など
 IVC:拡張 心臓:過収縮 抹消血管抵抗:上昇
 →補液(D-shapeに注意しながら)、閉塞の解除🇲🇵
 
4. 血管分布異常性ショック
 アナフィラキシー、敗血症まど
 IVC:虚脱 心臓:過収縮 抹消血管抵抗:低下
 →補液、昇圧
 

敗血症

敗血症とは感染症によって重篤な臓器障害が生じる状態のこと。

 

敗血症性ショックとは、急性循環不全で代謝異常が亢進され、ショックを伴わない敗血症と比べて死亡の危険性が高まる状態のこと。

大まかな定義としては

MAP≧65mmHgを保つために補液や血管収縮薬を使用している

Lac≧2mmol/L

 

対応としては

リンゲル液の補液で循環を適正化

NAdによる昇圧で灌流量を適正化

まずは広域抗生物質を投与し、培養提出してde-escalationを進める

 
 
 

歯科医師・口腔外科医が学ぶ救急学 Breathing異常所見への介入

First surveyであるbreathingに異常所見が生じた際の介入を考える。

 

Bの異常所見

Breathingの異常所見として呼吸数・SpO2・胸郭挙上の左右差といった呼吸系の異常所見が挙げられる。

 

対応

酸素投与と補助換気が基本的な対応になる。

 

酸素投与

 室内の酸素濃度(RA:room air)は21%だが、SPO2低下が継続している場合は酸素投与が求められる。

経鼻カヌラ

 

 食事や会話等に影響せず日常生活への障害が少ないが、鼻閉時や口呼吸時では意味がなく、投与量に限界がある。

 酸素投与量が6Lを超えると鼻粘膜の乾燥・損傷リスクが上がるため、0-5Lの範囲に限られる。

 鼻カニューレを鼻腔に挿入し、耳にストラップをかけ、顎下で長さを調整する。

 

酸素マスク

 

 

 よくテレビで見かける酸素マスク。

 経鼻カヌラと比較して高容量の酸素投与が可能だが、生活への障害や大きい。

 1-4Lだと酸素量が少なすぎ、呼気がマスク内に貯留し、PaCO2高値になる恐れがあるため、5L以上で使用する。

 手術直後の酸素投与は酸素マスク5Lが多い気がする。

 

リザーバーマスク

 

 酸素マスクに袋がついている。

 また、マスクとマスク-袋間に一方弁がある。

 呼気時:マスク-袋間の弁 閉じている

     マスク弁 開いている

     →酸素はマスクに貯留し、呼気のCO2はマスク弁より外に流出する。

 吸気時:マスク-袋間の弁 開いている

     マスク弁 閉じている

     →袋に溜まった高濃度の酸素を吸気できる。

 より高濃度の酸素投与が可能となるが、0-5Lだと袋が膨らまず効力を発揮しないため、6L以上で使用する。

 

補助換気

 呼吸不全・停止の患者など、自発呼吸だけでは十分な換気が充足でない場合に行う換気のこと。

 

バックバルブマスク(BVM)

 自己膨張式換気装置であるため、酸素ガスの供給源がなくても換気が可能である。従って、緊急時には第一選択となる。

 普通であれば酸素供給源とバックバルブマスクを使用して、高濃度の酸素を投与できる。

 一方弁がついていて、呼気が逆流する事がない。

 

 組み立てが難しく、事故になる恐れがある。

 また、肺のコンプライアンスがわかりづらく、空気を入れすぎて気胸になる恐れがある。