2023-01-01から1ヶ月間の記事一覧

口腔外科でよく使う抗菌薬の選択

口腔外科の特徴として、顎骨や口腔組織にできる感染巣への抗菌薬移行性は低いため前提として、 感根治や切開排膿などを併用することが望ましい。 まずは歯性感染症の種類 重症度で1群から4群まで分類される。 1群:歯周組織炎 歯髄感染を起因とするperや辺縁…

口腔外科でよく使う抗菌薬の種類

とりあえず口腔外科医として最低限知っておくべき抗菌薬の種類だけに集約する。 ペニシリン系 ペニシリン結合タンパク質(PBP)に作用し、細胞壁の合成を阻害する殺菌性抗菌薬。 ・古典的ペニシリン ・ペニシリナーゼ耐性ペニシリン ・アミノペニシリン ・抗緑…

口腔外科の外来でよく使用する器具

口腔外科の外来には一般歯科で見慣れない器材が並んでいることもあるので、口腔外科の研修医になるなら以下の器材を知っておくと楽かと思う。 15番メス フェザー 使い捨てメス #15 フェザー Amazon 貝印(Kai) ディスポメス NO.15 20本入 /2-5726-25 貝印(Ka…

口腔外科でよく使う栄養剤

口腔外科では創部保護や長期的な栄養管理目的で経腸栄養を行うことが多いが、具体的にどういった栄養剤を使用しているかは歯科大学の授業では習わないのでは。 ということで、栄養剤の説明と口腔外科でよく使う栄養剤を供覧していきます。 経腸栄養剤(人工濃…

口腔外科における栄養投与経路の適応

よく医療現場で患者さんを従事すると、教科書で何度もみかける下図が重要である事を痛感する。 腸管を使わないと腸管が萎縮し、腸内細菌や腸管免疫の低下などが生じる。 全身の臓器は相互に作用しているのは有名な話であり、使える臓器は使うに越したことが…

口腔外科でよく使う医療材料

歯科医師の85%程度は一般歯科に従事しており、口腔外科医は5%程度しかいない。 一般歯科だと齲蝕処置や補綴治療が主で、医科病院で日常的に目にする薬剤や医療器具などを使用する歯科医師は口腔外科医のみであろう。 歯学部の教育では虫歯の削り方や入れ歯の…

口腔外科でよく使う鎮痛薬

一般歯科だとカロナール、ロキソニン、サワシリン(抗菌薬)を知っておけばなんとかなるイメージだが、口腔外科だと重症感染症や侵襲の大きい手術後の患者さんなどを扱うため、使う薬剤にバラエティがある。 以下は口腔外科領域における分量 経口薬 カロナール…

気管切開、気管カニューレについて

口腔外科医でも気管切開・気管カニューレ留置はよくみかける術式です。 ちなみに耳鼻科だと症例数nが多い分更に慣れてるらしく、初診で呼吸困難を訴える患者さんが来た時点で気管切開の心構えになるらしい。 口腔外科で気管切開を行う機会といえば口腔癌に対…

骨切り術における術式設定の考え方

口腔外科が行う代表的な全身麻酔手術の一つに骨切り術があります。 簡単に言うと、上下顎が日本人の平均より過形成・劣形成やバランスの不均衡による咬合不全を解消するために上下顎を人工的に骨折させ、理想的な位置に移動させる手術です。 言葉で言うのは…