口腔外科の外来でよく使用する器具

 

口腔外科の外来には一般歯科で見慣れない器材が並んでいることもあるので、口腔外科の研修医になるなら以下の器材を知っておくと楽かと思う。

 

 

15番メス

下顎智歯抜歯など、口腔内の切開で最もよく使うのが15番メス。

円刃刀で、直線を描きやすい。

程よく切れるので便利。

 

 

12番メス

医科でよく使われるメス。

口腔外科だと上顎埋伏智歯抜歯時の遠心切開をする時に使用することがある。

 

 

11番メス

使う人もいるが、凄いよく切れるので危ない。

切れ味を気にするなら11番メスだが、口腔内は狭いので、個人的には安全の為に15番を使用した方が良い気がする。

 

 

丸針

 

口腔内の縫合の多くは丸針が使いやすい。

メスを加えた水平な粘膜に対して針を直角に穿入し、多くの組織を持ち上げて穿出することを考えると、丸針がやり易いだろう。

 

 

直針

(直針だけは売ってなかった)

水平な組織ではなく、山なりになっているような組織部の縫合で活躍する。

口腔外科領域だと歯間乳頭部の縫合で直針を使うことがある。

 

 

 

骨膜剥離子

 

外来でフラップを剥離する際によく使う剥離子。

とはいえ骨膜剥離子といえばこれ以外にも種類は豊富にあるので注意。

 

 

 

有鈎鑷子

 

先端に鈎(フック)がついている鑷子。

フラップ等を掴みやすいが、鈎部でフラップを傷つける恐れがある。

 

 

無鈎鑷子

先端に鈎(フック)がない鑷子。

少し滑りやすいが、フラップや組織を優しく把持できる。

 

 

鋭匙

抜歯窩の不良肉芽を掻爬する際に使用する。

主に前歯に使用する直と、臼歯部で使用する曲がある。

曲の中でも先端の曲がり方向の違いで2種類あるので、抜歯窩の場所に応じて選択する必要あり。

 

 

鋭匙鉗子

 

 

手術に際して不要になった肉芽や異物を除去する際に使用する鉗子。

鑷子よりも把持しやすいので本当に便利。

 

 

持針器

へガール持針器

小型の鋏型持針器で、比較的細い針を使用する時に用いる。

針が細い分だけ侵襲が少なく、粘膜の縫合などが適応となり、狭い術野で脆弱な粘膜を縫い合わせる口腔外科ではこれをよく用いる。

 

マチュー持針器

へガールより大型なので把持力が強く、比較的太い針を把持できるので、

皮膚など硬い組織を縫い合わせる時に使用する。

歯周外科では用いるようだが、狭い口腔内では扱いづらいので、へガールがおすすめ。