First surveyであるbreathingに異常所見が生じた際の介入を考える。
Bの異常所見
Breathingの異常所見として呼吸数・SpO2・胸郭挙上の左右差といった呼吸系の異常所見が挙げられる。
対応
酸素投与と補助換気が基本的な対応になる。
酸素投与
室内の酸素濃度(RA:room air)は21%だが、SPO2低下が継続している場合は酸素投与が求められる。
経鼻カヌラ
食事や会話等に影響せず日常生活への障害が少ないが、鼻閉時や口呼吸時では意味がなく、投与量に限界がある。
酸素投与量が6Lを超えると鼻粘膜の乾燥・損傷リスクが上がるため、0-5Lの範囲に限られる。
鼻カニューレを鼻腔に挿入し、耳にストラップをかけ、顎下で長さを調整する。
酸素マスク
よくテレビで見かける酸素マスク。
経鼻カヌラと比較して高容量の酸素投与が可能だが、生活への障害や大きい。
1-4Lだと酸素量が少なすぎ、呼気がマスク内に貯留し、PaCO2高値になる恐れがあるため、5L以上で使用する。
手術直後の酸素投与は酸素マスク5Lが多い気がする。
リザーバーマスク
酸素マスクに袋がついている。
また、マスクとマスク-袋間に一方弁がある。
呼気時:マスク-袋間の弁 閉じている
マスク弁 開いている
→酸素はマスクに貯留し、呼気のCO2はマスク弁より外に流出する。
吸気時:マスク-袋間の弁 開いている
マスク弁 閉じている
→袋に溜まった高濃度の酸素を吸気できる。
より高濃度の酸素投与が可能となるが、0-5Lだと袋が膨らまず効力を発揮しないため、6L以上で使用する。
補助換気
呼吸不全・停止の患者など、自発呼吸だけでは十分な換気が充足でない場合に行う換気のこと。
バックバルブマスク(BVM)
自己膨張式換気装置であるため、酸素ガスの供給源がなくても換気が可能である。従って、緊急時には第一選択となる。
普通であれば酸素供給源とバックバルブマスクを使用して、高濃度の酸素を投与できる。
一方弁がついていて、呼気が逆流する事がない。
組み立てが難しく、事故になる恐れがある。
また、肺のコンプライアンスがわかりづらく、空気を入れすぎて気胸になる恐れがある。