First surveyであるCに異常所見を認めた際の介入を考える。
Cの異常所見
Cの異常所見としては徐脈頻脈・血圧の低値高値などがある。
循環の原理
1.酸素運搬量
動脈血酸素含有量(末梢に酸素を送れる量)の式は
2.酸素消費量
3.抹消の灌流
循環の改善
では循環不全があった場合はどう対応すればいいか?
1.Hb,SaO2の適正化
1の酸素運搬量を増加させるには、HbとSaO2値の改善が必要となる。
Hbが低値であれば輸血し、SaO2が低値であれば酸素投与を行う。
2.心拍出量の適正化
1.の酸素運搬量の増加/2.の臓器機能の顕然化 のために、血液を送り出す心拍出量が適正化される必要がある。
心拍出量=HR×1回拍出量(stroke volume:SV)
1回心拍出量は
・前負荷(血管内volume)
・心収縮力
・末梢血管抵抗=血圧
の適正化が必要。
従って、
前負荷が小さい(血管内volumeが少ない) → 補液
心収縮力が小さい → 強心薬
を行う。
3.MAPの適正化
3.灌流量の適正化
灌流量を適正化させるためには上記の血管内volume・心収縮力に加え、抹消血管抵抗を改善させる必要がある。
抹消血管抵抗を測定するデバイスはないので、抹消血管抵抗の低下が疑われたら血管収縮薬(NAdなど)を使用する。
ショック
特にtopicとなるのがショック状態のとき。
ショックの定義は”抹消組織の酸素供給と需要の不均衡”である。
臨床所見ではショックの5P が有名。
ショックの5Pとは
Pallor(顔面蒼白)
Perspiration(冷汗)
Pulseless(脈拍触知不能)
Prostration(虚脱)
Pulmonary insufficiency(呼吸不全)
のことです。
勿論これだけではなくて、CRT延長や網状皮斑、ツルゴールの低下などの所見を踏まえて総合的に診断する。
敗血症
敗血症性ショックとは、急性循環不全で代謝異常が亢進され、ショックを伴わない敗血症と比べて死亡の危険性が高まる状態のこと。
大まかな定義としては
MAP≧65mmHgを保つために補液や血管収縮薬を使用している
Lac≧2mmol/L
対応としては
リンゲル液の補液で循環を適正化
NAdによる昇圧で灌流量を適正化
まずは広域抗生物質を投与し、培養提出してde-escalationを進める